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デンカ小滝川橋

デンカ小滝川橋

概要

デンカ小滝川橋は、電気化学工業(株)(現デンカ(株))が所有する小滝川発電所のリニューアル工事に伴い、もともと設置されていた吊り橋に代わるアクセス用の橋梁として架設されました。
工事名 小滝川発電所2号機
リニューアル橋梁架け替え工事
工事場所 新潟県糸魚川市
完成年月 2014年5月
橋種 プレストレストコンクリート道路橋
構造形式 単純PCポストテンション方式T桁橋
橋長 39.0m
支間長 38.1m
幅員 全幅5.2m

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構造図

特徴

これまでサクセムを橋梁本体に使用したプロジェクトは、いずれもプレキャスト方式で製作・架設したものでしたが、架橋地点は山間部に位置し、大型のプレキャスト部材を運搬する工事用道路の確保が困難なため、サクセムを初めて場所打ちで施工しました。

設計概要

サクセムを場所打ち施工する場合の設計値は、これまでの研究成果と現場での養生条件を加味して設定しました。設計基準強度は、プレキャスト工場のような標準養生が行えないので、「超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指針(案)」の下限値150N/mm2に設定し、これを確保できる現場養生方法を採用しました。
またクリープ係数は、「超高強度繊維補強コンクリート「サクセム」の技術評価報告書」に示したφ=0.7だけでなく、場所打ちであることを考慮して高強度コンクリートの値φ=1.2も考慮し、安全側の設計となるようにしました。

サクセムの設計値

項  目 単 位 場所打ち 工場製作
圧縮強度
(設計基準強度)
N/mm2 150 180
曲げ圧縮応力度の制限値
(許容曲げ圧縮応力度)
N/mm2 90 108
ひび割れ発生強度
(許容曲げ引張応力度,
許容斜引張応力度)
N/mm2 4.0 8.0
引張強度 N/mm2 6.5 8.8
ヤング係数 N/mm2 4.35×104 4.60×104
乾燥収縮度 400×10-6 50×10-6
クリープ係数 0.7, 1.2 0.7

施工概要

現場近くのコンクリート工場にて補強繊維を混入したサクセムを練り混ぜて生コン車で現場に運搬し、バケットに移してクレーンで吊り込んで打設しました。打設はプレキャスト製横桁により3つの区画に分かれており、3日連続で行いました。
また、冬期の施工だったので、屋根やシートで囲い、ヒーターを稼働させてサクセムの強度発現に必要なコンクリート温度を維持しました。一方で、サクセムはセメント量が非常に多く、部材の断面が大きい箇所では水和反応による発熱が生じ、中心と外の温度差によるひび割れが発生するリスクなどがあったので、橋桁両端の横桁には冷却用のクーリングパイプを配置して河川の水を循環させ、目標とする温度90℃以下に発熱を抑えました。

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